Asma NOTE

Years of rambling from a midlife otaku.

俺は漫画を描くんだ!君も…… 描くか?

「Tears of Time」シリーズは、20 世紀末から 21 世紀初頭にかけて、数多の歴史文献から掘り起こされた化石 のような作品たちだ。恥力の限界を突破したのち、「若さ故の過ち」との反省を込めつつ、自分で記録して世に出したものでもある。


キミは、なぜ漫画を描きたいと思うのか?

名声のためか?金のためか?女のためか?それとも単純に漫画家という生活に憧れているだけか?不論理由は何であれ、この世界に足を踏み入れる前に、自分がこれからやろうとしていることを理解しておくべきだ。おそらく、それは想像しているほどロマンチックなものではないだろう。

任正華の《俺は漫画を描くんだ!》は、東販から発表され、《ACE》で連載されていた当時、ひときわ目を引く存在だった。文字数も非常に多く、他の日本の作品とはまったく異なる作風ゆえに、かなり異彩を放っていた。……実際、「実用書」と呼ぶよりも、「凶器書」と呼ぶほうがむしろ適切かもしれない。この漫画において、任正華はほぼ自らの漫画人生で培ったすべての経験を惜しみなくさらけ出しており、その点こそがこの作品のすごさである。

世の中にはすでに漫画の描き方を教える本は数多くあるのに、なぜわざわざこうした題材の漫画を描くのだろうか?

もしそう疑問に思うなら、それは関連書籍にあまり関心がなく、その面白さを理解できていない証拠だろう。この手の実用書のうち、おそらく十冊中八冊は互いにパックリし合っており、似たような内容ばかりだ。消しゴムのカスは羽根筆で掃くべきとか、スクリーントーンの技術をもっと練習しろ、といった助言程度で、初心者にとって本当に「経済的で着実」な方法はほとんど示されていない。

しかしこの本では、任正華姉貴は本当に「漫画という業界」から話を始め、「なぜ漫画を描くのか」を語り、その後に進路の決め方、コマ割り、演出へと段階的に細かく分析していく。そして最終的には、市場が作品に与える影響についても解説している。《俺は漫画を描くんだ!》は、漫画を描きたいと思っている人にとってだけでなく、脚本技術を学ぶ上でも大いに役立つ一冊である。本当に素晴らしい本だ。

――それだけか?もちろん違う。でなければ、なぜこの本を「凶器書」と呼ぶ必要があるだろう。そう、内容がとにかく辛辣なのだ!

『頑劣家族』を読んだことがあるか?あの破壊力は任正華姉貴にとって基本値にしか過ぎない。そして、テーマが彼女にとって最も馴染み深いものであれば、その戦闘力は当然のことながら 200%に跳ね上がる。任正華の長年にわたる “波乱万丈” なプロ漫画家人生を考えれば、目にするのは、言うまでもなく、単なる漫画の描き方だけではないのだ!

大御所クラスになると、サインの際には高級な毛筆が必須アイテム。筆を持ち上げ、手首を浮かせ、目は一筋のスリットだけにして、軽く頷くだけで場の空気を震わせることができる。

セクシーボムバー型漫画家は、公の場では服を薄くすればするほど人気が上がる。横たわって読者にサインをした後、筆を谷間に差し込んだら、単行本は翌日重版必至!

先輩漫画家は、まず音響、DVD プレーヤー、プロジェクターを揃えなければいい参考素材を得られないと強調する。資料収集は限定版か絶版ものに徹底する。価格は高めでもオンリーワンにこだわる。作画にコンピューターを使わないと時代に追いつけない、最低でもフラットパネル 21 インチ液晶の MAC G4 を設置しなければ、良い漫画は描けない……

信じがたいさまざまな怪現象が次々と現れ、思わず「漫画業界って本当に不思議な世界だな……」と口を開けて驚かされる。多少誇張もあるかもしれないが、決して根も葉もない作り話ではない。

現在の台湾漫画界は、かつての華やかさを失って久しい。景気の低迷により、会社に利益をもたらせない漫画家は、当然ながら大御所待遇を受けられなくなっている。その一方で、大御所たちは自分たちが出版社にとってどれだけ重要かを自覚すると、鼻が以前より二、三段階高くなるのも仕方がないだろう。

市場で評価される作品はますます単純化し、生命力や独創性にあふれる漫画はほとんど生き残る余地がないと言える。その代わりに、イケメン美女を前面に押し出したヴィジュアル系の流行が台頭している。漫画作品自体がヴィジュアル系になるだけでなく、もし作者がそれなりのルックスを持っていれば、それこそ作品宣伝の絶好の武器になる……。

任正華はこの「凶器書」の中で、こうした奇妙な現象を容赦なく読者の前に赤裸々にさらしている。これは漫画家の責任か?そうなってしまうのも出版社の方針のせいだろう?じゃあ出版社のせい?いや、読者がそれを喜んで受け入れるからこそ、出版社もこうするしかないじゃないか!

結局、すべての悪の根源とは……

ふふっ、あなたは違うと言えるだろうか?

辛辣さが本意ではないことは言うまでもない。この本を通して、漫画という業界の実態を正しく知り、より多くの漫画好きの仲間たちが飛び込めるようにする――それこそが、この本の本当の目的だ。しかし実際には、こうした人々や出来事、そして物事が、毎日私たちを楽しませるために奇想天外なことを繰り広げている。

この世界に足を踏み入れるには、確かに少し勇気が必要だ。しかし最後の数ページに掲載された任正華の「自伝」を見れば、きっと私と同じように感じるだろう。「心さえあれば、あの環境でも漫画家になれる――ならば、不可能なことなど何もないのだ!」

全視界アニメ&コミック情報誌 image(1999.11月号 Vol.3)に掲載

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