Asma NOTE

Years of rambling from a midlife otaku.

ブックオフ

私はあまり街をぶらつくタイプではない。外に出るといえば、本を買うか映画を観るかくらいで、服や靴も年に一、二度買えばいいほうだ。都会の夜遊びには縁がなく、カフェ巡りのようなものにもそれほど魅力を感じない。よほどはっきりした目的でもない限り、休日はたいてい家にこもってだらだらしている。

もう何年前のことかは覚えていない。よく晴れた週末、たまには自由が丘でもぶらついてみるか、と思い立った。道すがら、しばらく行っていない洒落た雑貨屋でものぞいてみるのもいいし、どこかでカフェに入ってひと息つくのも悪くない、などと考えていた。ところが駅を出て数歩も行かないうちに、全国最大級の古書チェーン「BOOK OFF」の自由が丘店にばったり出くわしてしまった。

「長居するつもりはない、軽くひと回りするだけでいい。」

経験のある人なら分かると思うが、こういう心の中のつぶやきなんて、たいていは自分に言い聞かせているだけだ。その日、店を出たときにはすっかり日が暮れていた……あの日のことは、自分のオタク体質をあらためて思い知らされるきっかけにもなった。

BOOK OFFは、海外(台湾)で育ったオタクにとって、まさに宝の山のような場所だ。80〜90年代、台北で漫画やアニメ雑誌、画集や設定資料集の輸入版を手に入れようと思えば、光華商場近くの新瑞や、万年の新知坊、永華といった専門店に頼るしかなかった。入手ルートは限られているうえ、相場もたいてい日本円の定価×0.35以上、ときには×0.5を超えることすらあった(当時の為替も、2026年の今とそれほど変わらず、だいたい0.21〜0.23前後だった)。

97年末、兵役完了のお祝い、そして自分へのご褒美として組んだ日本旅行は、長年たまり続けていた「原書」への思いを一気に解き放つものだった。定価で買えるだけでもありがたいのに、BOOK OFFではさらに3〜5割ほどが当たり前で、「100円」コーナーに入ればもう歯止めがきかない。気がつけば、手当たり次第に抱え込んでいた。

あの旅では、東京で買い、関西でも買い、東京に戻ってきてもなお買い続けていた。さすがに全店舗を回ったわけではない(あれだけの店舗数だ、旅行者に制覇できるものでもない)が、道すがら目に入った店は、ほぼ取りこぼしなく覗いていった。五週間で、最終的には大箱で五つ分にもなった。船便の送料を含めても、台湾での相場と比べれば数倍は安かった。

それ以来、日本に来るたび、帰国前には箱単位で本を台湾へ送り返すのが当たり前になった。そしてその中身の七、八割は、決まってBOOK OFFでの戦利品だ。

東京に住むようになってからは、よほど追いかけている新作でもない限り、新刊を買うことはほとんどなくなった。以前は三坪ほどの狭い生活空間に収まる必要があったため、本を増やすハードルもかなり高くしていたが、今の住まいに移り、本を置ける部屋の余裕ができてからは、だいぶ歯止めが緩くなっている。

とはいえ、ここまで気兼ねなく手を出せるようになったのも、「欲しい本があれば、まずはBOOK OFFを探してみる」という習慣が身についているおかげだ。

十数年も経つうちに、この家の本は気がつけば五、六千冊にまで増えていた。最低限の生活の質を守るためには、「秀才は飢えても書を売らず」なんてこだわりは、もう貫いていられない。

入れるものがあれば、出すものもある。来たところへ返す。先日、思い切って漫画を二束抱え、家のいちばん近くのBOOK OFFへ持ち込んで査定してもらった。合わせて四、五十冊はあったはずだが、出てきた金額は全部で……200円にも届かなかった。

私は(心の中で)ぶつぶつ文句を言いながら、その小銭を受け取った……そして千円札を何枚か足して、さっき査定のあいだ店内を漁って見つけた、もう一山の本の会計を済ませた。

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