この文章は、1999 年に私が東立出版社で《動感 SPEED 半月刊》の編集をやっていた頃、新連載《極道パパ》に合わせて書いた、日本の極道文化の紹介だ。
ちなみに、2011 年 10 月に「暴力団排除条例」が全国で施行され、日本政府が公権力で極道の市民権を奪い、ヤクザが社会で生きていく道を閉ざしてしまった。20 年以上を経た今、日本の極道事情は当時とはまったく違うものになっている。

『極道パパ』を読んだことがあるあなたは、この作品で描かれている背景を知っているだろうか。知っているなら、それはそれでいい。しかし、日本の「極道」について基本的な知識がなければ、作品を読む楽しみの多くを逃してしまう。そこで、読者がこの極道ギャグ漫画をより楽しめるように、日本の「極道」、つまりヤクザの生態をざっくり理解できる特別企画を用意した。準備はいいか。くれぐれも流れ弾に当たっても責任は取らないので注意してほしい。
「YA」は日本語の数字で八の読み、「KU」は九、「ZA」は三を表す。日本の「花札」の賭博で、8+9+3 は 20 となり、点数はゼロになる。台湾の「彆十」と同じで、使い物にならないクズ牌だ。そして日本人は、この三つの文字「YAKUZA(ヤクザ)」を組み合わせて、極道の組織を表す言葉にした。これで一般の人々がチンピラやごろつきに対してどんな印象を持っているか、おおよそ理解できるだろう。
一日中ぶらぶらして、みかじめ料を巻き上げ、善良な町民を虐げ、気に入らない相手がいれば刃物を振り回し、銃を乱射する…… うーん、確かにそんなイメージもあるが、決してそれがすべてではない。
現代の日本の経済システムがこれほどまでに発展できたのも、暗地で活動する「極道」が無視できない大きな「貢献」をしてきたからだ。なぜそう言えるのか。それは後ほど説明する。
ヤクザのような存在は、社会の仕組みと非常に密接な共生関係にある。巨大な組織を持ち、厳しい規律を守り、上位に立つ極道の親分は想像を超える権力と影響力を握っている。何より、極道組織のメンバーは常人を超えるほどの誇り高い心を持っている。こんな団体がもし、前述のように日々庶民からみかじめ料を取るだけの存在だったとしたら、組織を維持するための莫大な経費を賄うことなど到底できない。
昔は、極道は自分たちの縄張り内での特定の商売や賭場などで利益を上げ、さらに善良な町民からみかじめ料を少し徴収して運営の足しにしていた。しかし、極道は地域意識が非常に強く、縄張り内の住民や商店を知らず知らずのうちに自分たちの身内のように扱い、外部勢力が侵入してくることには敏感だった。地域に地元のチンピラがいる街では、彼らはある程度、外部の乱入を防ぐ治安維持の役割も担っていた。当然大半は暴力で制する方法で、決して立派な事業とは言えない。しかし、組織内の序列は厳格で、下の者は上の者に絶対服従。さらに、仁侠や義理を重んじる精神も大事にしていた。こうした点が、極道が「仁義侠道」と比較される理由であり、時には同一視される所以でもある。
しかし、長い年月を経て、状況は以前ほど単純ではなくなった。地方の極道組織は、自分たちの運営を維持するだけでなく、上位組織に定期的に「上納金」を納める必要がある(構造としては『小売店⇒中間卸⇒総販売元』のような関係だ)。昔ながらの方法でお金を集めるだけでは、とてもやっていけない。そこで、近年になってようやく芽生えた違法取引、たとえば銃や麻薬が従来の収入源に取って代わるようになった。利益は高いものの、バブル経済の勢いには追いつけず、インフレにも太刀打ちできない。かつては下っ端の連中も、上からもらう少しの小遣いでなんとか日々をやり過ごせたが、現代では、ちょっとした力量がなければやっていけない。
では、こんな不景気な時代に、組の連中は普段どのように生計を立てているのか。
「給料?」
その通りだ、疑うことはない。現代では、多くの組織が自分たちの組織をいわゆる会社や企業グループとして合法化することに成功している。この手続きを経ることで、ヤクザの稼ぐ裏金も自然とクリーンにできる。これらのヤクザは、合法的に傘下の関係企業を持ち、資金を映画や音楽、飲食業などの正当なエンタメ事業に投資している。しかし表向きだけで、裏では相変わらず密輸や麻薬、売春、賭博、地下銀行なども行っている。この合法企業の看板があることで、こうした国際的な取引や交流も隠れて行える。「企業」という肩書を上手く活用するヤクザは、地下銀行での高利貸しも相変わらず行うが、もし顧客が返済できなくても、かつてのように娘を連れ去ることはもうない。彼らのターゲットは、徐々に土地に移ったのだ。
「女なんて儲からねぇ、土地の方が断然いい!」
土地は次第に極道の新たな金儲けのターゲットとなった。そしてこの時期、日本で昔から民間の闇に根付いてきた極道は、徐々に闇から抜け出し、堂々と一般の人々の前に姿を現すようになる。つまり、政治に進出し始めたのだ。小さな選挙区では、もともと投票率も低く、ちょっとした地位を持つ組のボスが、自らの財力と人材を駆使して、町会議員や区議員に当選することは難しいことではない。しかも警察も、表に大きな問題が出ない限り、基本的には深入りしない。
日本の地方警察と極道組織、どちらも地域性が非常に強い組織で、長年にわたって共存する中で、微妙なバランスが築かれてきた。もともとヤクザ出身の政治家が手にする利権は、昔のような脅迫や恐喝とは比べものにならないほど大きく、こうして極道と一般市民との距離は、徐々に近づいたのだ……。
日本では第二次大戦後、与党は左翼勢力を抑え込むために、しばしば極道と手を組んでいた。1950 年代から 70 年代にかけて、反共運動や学生運動の場面でも、極道組織は政府の依頼で潜入や妨害活動を行うことが少なくなかった。
70 年代以降になると、政府が極道を裏で使って地位を固める手法は、もはや与党だけの専売特許ではなくなり、いつの間にか政治における重要な駒として使われるようになった……。複雑に絡み合った金の流れや権力関係は、この島国の土地の下に、しっかりと根を下ろしている。
現代の日本で代表的な極道勢力は、大きく関東と関西の二大勢力に分かれる。関東で最大の勢力は「一合会」で、正式な構成員はおよそ 1 万人だが、実際に動かせる人間の数は計り知れない。首都圏に位置するため、行政からの規制や条件は他地域より厳しいものの、その実質的な影響力は決して侮れない。
一方、関西を代表する「山口組」は、まさに圧倒的な存在感を示す。傘下に 3 万人もの組員を抱え、親戚や関係者をちょっと結びつけるだけで、本州下半分の大部分をほぼ支配下に置けるのだ。
この二大勢力は、それぞれの地域を支配しているが、互いに干渉せず、下部の小さな組や派閥にも厳しい制限を設けている。もし何か問題が起きれば、小さな組でも知らず知らずのうちに極道全体の顔として見なされ、大規模な衝突を引き起こす可能性がある。まさに「井の中の水は川に犯さず」という関係だ。
現在の日本の極道の生態はほぼ飽和状態にある。小さなチンピラが一から這い上がろうとしても、せいぜい組の中で組長や親分になるくらいが精一杯だ。本当に大きな権力を握る極道組織は、今ではほとんど血縁や勢力の継承によって世代交代が行われている……。
どうだろう。日本の極道、なかなか面白いだろう。迫力もあって、強そうに見えるだろう……。でも、あまり外国かぶれになる必要はない。最後にひとつ、皆に伝えたいのは、台湾もこの方面では全然負けていないということだ。

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